2026.04.30
TOPICS
マーケティング担当者1,200名に聞く「SNS広告・インフルエンサーマーケティングの過去/現在比較調査」を実施
〜重点媒体はXからYouTube・TikTokへ。意思決定軸も“露出”より“事業寄与”に変化〜
「すべてのマーケティングを成果報酬に」を掲げる株式会社Macbee Planet(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役社⻑:千葉 知裕)は、全国のBtoC企業でマーケティング業務に従事する担当者1,221名を対象に「SNS広告およびインフルエンサーマーケティングに関する“過去/現在”比較調査」を実施しました。本調査では、ステルスマーケティングが景品表示法違反となった2023年10月以前と現在を比較しながら、SNS広告・インフルエンサーマーケティングにおける目的、重点媒体、運用状況、重視KPI、クリエイティブ傾向、インフルエンサー選定基準、現在の課題、今後の報酬体系の変化を分析しています。また、デジタルマーケティングおよびDX分野の第一人者であるパーソルテンプスタッフ株式会社 最高マーケティング責任者CMO・友澤 大輔氏による解説コメントも紹介しています。
調査結果のサマリー
- SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的は認知拡大中心の設計から、流入・獲得・継続を重視する設計へ移行。事業寄与目的は約3割から約5割へ拡大。
- 重点媒体はX(旧Twitter)中心からYouTube・TikTokへシフト。Xは約3割から約2割へ低下し、YouTubeは約3割まで伸長。
- インフルエンサーマーケティングの運用は単発タイアップやギフティング中心から、長期契約・複合設計へ移行。今後も約3割が長期契約中心を志向。
- インフルエンサーマーケティングで重視するのは単純な獲得指標だけでなく、流入・検索・来店など行動寄りの指標へ拡大。来店・予約は約2割半まで上昇。
- インフルエンサー選定は過去に比べて、フォロワー数や属性よりも、エンゲージメント率や関係性、クリエイティブ力を重視する傾向。
- 現在の最大課題は「効果測定が難しい」が約5割で最多、「KPI合意が取りにくい」「計測環境が十分でない」もそれぞれ約3割。
SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的は、認知偏重から流入・獲得・継続へ
直近12カ月のデジタルマーケティング施策の実施状況を見ると、SNS広告は61.3%、自社SNS運用は52.7%に達しており、すでに過半数の企業が取り組んでいることがわかりました。一方、インフルエンサーマーケティングは29.7%にとどまり、SNS関連施策の中でも、「全社的に当たり前の施策として定着し切っている」とはまだ言い切れない状況です。SNS広告や自社SNS運用が主流化する一方で、インフルエンサーマーケティングは企業ごとの運用知見や評価方法の差が表れやすい領域といえそうです。

その中で、SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的には大きく変化が見られました。過去と現在を比較すると、「認知拡大」は35.8%から25.3%へ、「興味喚起・比較検討促進」は23.5%から18.8%へ低下。一方、「Web流入・来店促進」は18.6%から25.1%へ、「新規獲得」は10.5%から16.3%へ、「継続率向上・ファン醸成」は2.9%から8.8%へ上昇しました。マーケティングファネルの上流目的の比率が縮小し、下流・事業寄与目的が拡大していることから、SNS広告・インフルエンサーマーケティングは“話題化の場”から、“送客・獲得・継続まで含めて説明を求められる場”へ変わってきたと考えられます。

重点媒体はXから動画系へ、運用体制とクリエイティブも変化
重点媒体の変化を見ると、Xは29.6%から19.2%へ大きく低下しました。一方で、YouTubeは26.9%から30.7%へ、TikTokは2.1%から6.1%へ上昇。Instagramは28.7%から29.2%でほぼ横ばいでした。特定の媒体に一極集中するというより、X中心の構図から、動画コンテンツや視聴体験を重視した媒体設計へ重心が移っている様子がうかがえます。TikTokは絶対値こそ限定的ですが、増加幅としては目立つ結果となりました。

施策別の現在の運用状況を見ると、SNS広告は「外注主導」(“完全に外注”と“外注の割合が多い”の合計)が50.9%で最多でした。これに対し、自社SNS運用は「内製主導」(“完全に内製”と“内製の割合が多い”の合計)が41.5%と比較的高く、社内で運用しやすい領域であることが分かります。一方で、インフルエンサーマーケティングは、「外注主導」39.3%、「半々」26.6%、「内製主導」19.6%という構成となり、社内完結しづらく、かつ完全外注にも寄せ切れないという、特有の運用難易度が表れた結果といえます。

過去と比べて増えたクリエイティブの傾向面では、SNS広告で「短尺動画の活用」(35.8%)、「クリエイティブの量産」(32.0%)、「UGC風・生活者素材の活用」(28.1%)が上位に並びました。自社SNS運用では「量産」(26.1%)、「生成AIの活用」(24.1%)、「短尺動画」(22.6%)が上位です。一方、インフルエンサーマーケティングでは「量産」(28.3%)、「短尺動画」(23.3%)が上位に挙がるものの、「特に変化はない」も24.2%ありました。全体としては動画化・量産化・AI活用が進む一方、インフルエンサーマーケティングではクリエイティブそのものより、契約形態や評価設計の見直しの方が大きな変化として捉えられていることがうかがえます。

インフルエンサーマーケティングは単発から長期へ、評価軸も“露出”から“行動”へ広がる
インフルエンサーマーケティングの方針について、過去から現在への変化を見ると、「単発のタイアップ/PR投稿(固定報酬)」は23.9%から16.4%へ、「商品提供(ギフティング)」は26.6%から19.1%へ低下しました。他方、「長期契約(アンバサダー契約等)」は16.9%から25.1%へ、「成果連動」は6.7%から11.9%へ、「固定+成果のハイブリッド」は4.8%から7.5%へ上昇しました。短期的な露出を取りにいく発想から、継続的な接点をつくりながら成果も追求する発想への転換が進んでいます。

インフルエンサーマーケティングにおける重視KPIにも変化が見られます。最も重視する指標として、「来店・予約」が22.7%から24.6%へ、「クリック/流入」は12.4%から15.7%へ、「指名検索」は2.7%から7.2%へ、「再生・リーチ数」は6.7%から8.4%へ上昇しました。単純な獲得や認知だけでなく、比較検討や送客、来店といった、中間〜下流の行動まで含めて評価する流れが強まっています。とくに指名検索の伸びは、インフルエンサーマーケティングが、比較検討の入口やブランド想起の装置として評価され始めていることを示していると言えそうです。

さらに、インフルエンサーの選定基準にも変化が見られました。「フォロワー属性」は43.7%から27.6%へ、「フォロワー数」は43.1%から34.5%へ低下した一方で、「エンゲージメント率」は22.0%から28.2%へ、「フォロワーとの距離感」は17.1%から23.3%へ、「クリエイティブ」は11.9%から19.5%へ、「コストパフォーマンス」は12.8%から17.6%へ上昇しました。選定基準が、“誰にどれだけ届くか”という量の評価から、“どんな反応が起きるか”“どのように表現できるか”という質の評価へ移っていることが鮮明になっています。

最大の壁は効果測定と社内説明、今後は長期・ハイブリッド型が主流へ
現在の課題としてもっとも多かったのは「効果測定が難しい」の49.0%でした。続いて、「社内でKPIの合意が取りにくい」(30.3%)、「計測環境が十分でない」(30.2%)が並びます。さらに、「インフルエンサーとのコミュニケーションが難しい」(28.4%)、「コンプライアンス対応の負荷が大きい」(25.2%)、「ブランド毀損/炎上リスクが不安」(23.4%)も高水準でした。施策そのものへの関心や必要性が低いのではなく、評価しづらいこと、運用負荷が高いこと、社内で説明しにくいことが、実務上のボトルネックになっている構図です。

こうした状況を踏まえると、今後のインフルエンサーマーケティングにおける報酬体系が「長期(アンバサダー契約等)を中心にしたい」(31.8%)、「固定+成果のハイブリッドを増やしたい」(25.3%)に集まっている点も示唆的です。「単発の固定報酬を中心にしたい」は15.7%にとどまり、今後の主流は単発発注ではなく、継続的な関係構築を前提としつつ、必要に応じて成果要素も組み合わせる設計と考えられます。固定報酬だけでも、完全成果報酬だけでもない“中間解”へのニーズが高まっていることがうかがえます。

パーソルテンプスタッフ株式会社 最高マーケティング責任者CMO・友澤 大輔氏による解説コメント
今回の調査結果にはかなり納得感があります。SNSやインフルエンサー施策は、もはや認知を広げるためだけのものではなく、事業成果にどうつなげるかまで含めて期待される施策になってきたと感じます。背景にあるのは、やはりメディア接触の変化です。特に若い世代では、テキストより動画に自然に触れる時間が長く、親和性の高いマイクロインフルエンサーの発信の方が、人を動かしやすい場面も増えています。一方で、SNSは検索広告のようにラストクリックで効果を説明しにくく、間接的な態度変容をどう捉えるかが難しい領域でもあります。だからこそ、単純なリーチではなく、行動変容やエフェクティブリーチまで見ながら、小さく試して実績を積み上げ、社内で説明できる形にしていくことが重要だと思います。
調査概要
調査名:マーケティング担当者1,200人のSNS広告およびインフルエンサーマーケティングに関する“過去・現在”比較調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年3月16日〜3月19日
有効回答数:企業でマーケティング業務に従事する担当者1,221名(BtoB企業541名/BtoC企業545名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
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